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「私が欲しいですか?お嬢様」
第26章 マスターの恋模様
純也は景色に見入る
沙月の後ろにまわり
囲う様にして柵に手をついた。
沙月と純也の距離がいっきに縮む。
沙月はその距離にドキドキしていた。
「頑張ってよかっただろ?」
耳元で甘く響く低い声。
私よりも身長が高いはずなのに
耳元で声が聞こえるのは
腰を屈ませているから…
「う…うん…」
急に意識してしまって
固まる沙月。
その様子を見て
純也はクスッと笑った。
「意識…してる?」
耳まで真っ赤になった沙月を
からかう様にして可愛がる。
「バカ!やめてください!」
そう拗ねると顔を背けた。
純也は残念でした〜
と言わんばかりに背けた側に
顔をうつす。
「ん?」
背けたはずなのに
あっという間にこっちにきて
目が合うと沙月はそのまま固まった。
純也はおでこをくっつける。
身体は密着している。
沙月がドキドキしているのと
同じくらい純也もドキドキしていた。
48にもなって情けないが
好きな女を前にしたら
ドキドキして仕方ない。
「…キス、していい?」
唇が触れるか触れないかの所で
言われた言葉。
沙月は小さくコクッと頷くと
目を閉じた。
純也も目を閉じ、
ゆっくりと唇を重ねた。