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「私が欲しいですか?お嬢様」
第27章 マスターの恋模様②
チュッ…
リップ音をたて、唇が離れると
恥ずかしくてお互い目を伏せた。
久しぶりに感じた
沙月の柔らかさ。
沙月もまた純也の柔らかさを
感じていた。
「…しちゃったな…キス」
「…うん」
恥ずかしがる姿は
あの頃と変わらない。
純也は柵に置いていた手を離し
沙月を包む様に抱きしめた。
「俺は…今でもお前が好きだよ」
ドクンッ
ストレートな告白に
沙月の心臓が高鳴る。
「お前がどう思っていても
俺はいつもそばにいる…
あいつに約束したからな」
「…約束?」
イタリアに来る前
雪弥のお墓参りに行った純也。
お墓の前で、
俺がこれからは沙月と彩芽ちゃんを
守っていくと約束してきた。
「ああ、あいつに
お前と彩芽ちゃんを守っていくと
約束してきた」
沙月は何だか嬉しくなって
笑った。
「ふふ、雪弥はなんて?」
純也はぎゅっと抱きしめる力を
強くした。
「んー、そうだな。
任せましたって言われたよ」
純也もまた笑いながら答えた。