この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
「私が欲しいですか?お嬢様」
第28章 専属執事〜別離〜
ーあれから、もう10日が経った。
ママの専属である晴人さんが
颯太さんに居ない間、
あたしの事を頼まれたと
ついてくれているけど
颯太さんからの連絡は
何もなく、まだ帰ってきてもいない。
携帯に連絡しても繋がらない。
携帯以外に連絡手段もない。
「あたし…颯太さんの事
何も知らない…」
いくら小さい頃、
一緒にいたとはいえ
それは病院での出来事で、
家も知らないし…
もしかして…
もうあたしの事はどうでもいいのかも。
「ははっ…
そうだよね、きっと…」
夢には毎日出てくるのに
あなたは今どこで何をしてるの…?
ーコンコン
「失礼致します」
ガチャ
扉を開け、入ってくるのは
晴人さん。
「おはようございます、彩芽様」
扉を開けるのは
今日も晴人さん…
帰ってきていないのわかってて
それでも期待してしまう
颯太さんかなって。
「おはようございます」
馬鹿な期待だよね…。
「彩芽様、お食事の時間です」
「いらない」
「……しかし、少しだけでも
食べなくては…」
「食欲ない」
あたしの答えに晴人さんは
困惑した表情を見せた。