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「私が欲しいですか?お嬢様」
第28章 専属執事〜別離〜
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ここへきて、10日。
私はいつまでここに
いなくてはいけないのか。
部屋にずっといるのも飽きた。
彩芽に会いたい…
「颯太」
分厚い扉の向こうで
声をかけてきたのは兄だ。
「開いてるよ、入れば?」
ガラッー
扉を開け入ってきた兄。
「大丈夫か…」
心配そうに私の顔を見る。
ここへ帰ってきてからというもの
毎日、兄はこうして私の心配をして
部屋にくる。
「ああ、兄さんは?」
「何とかね。早くここから
出たいもんだよ」
兄さんは私が家を出てから
少しして家を出たらしい。
だが、居場所はすぐに判明し
兄さんは連れ戻された。
私は学園に通っていたため
世間体を気にするこの家は
私をある程度自由にしていた。
ここへきてからというもの
兄さんと2人だけの
小さな家が建てられ
そこへ軟禁状態。
互いの部屋へは行き来できるが
外へは出られない。
窓はたくさんあるが
どれも小さく身体は通らない。
鍵は外からしか開かない。
我ながらなんて親だと思う。