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「私が欲しいですか?お嬢様」
第29章 専属〜叶わぬ逢瀬〜
父は私達の顔を見るなり
ひどく安心した顔をした。
「ああ…良かった。
すまなかった、私が居ない間に…」
「父さん…」
玄関の先にある外の景色。
久しぶりの光だ。
兄と顔を合わせ安堵の表情を
浮かべた。
「さぁ、ここから出て…
「許さないわよっ!!!!」
!!!!???
キーキーと響く高い声できたのは
この家に私達を閉じ込めた継母。
この人はいつも父さんに
言われるとおとなしくなるのに
今回ばかりは違っていた。
しかし、キーキーと怒る
その人に父は冷静に言った。
「お前…いい加減にしなさい」
「この2人がここを継がなければ
華水木は終わってしまうわ!!」
父は溜め息をつき目を閉じた。
「私はそれでもいいと話しただろう」
「あたしは嫌よっ!!
終わらせないわ!あなた達には
嫁を受けいれてもらって
ここを継いでもらうわ!!」
その言葉に驚き颯太は思わず
目を見開いた。