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「私が欲しいですか?お嬢様」
第29章 専属〜叶わぬ逢瀬〜
一刻も早く彩芽に
逢いに行きたいのに…
この人は何を言ってるんだ。
「お前、まさか話を勝手に
進めたのか…?」
父はぐっと拳を握り
継母に問いかけた。
「ええ、そうよ。
明日にはここにいらっしゃるわ」
自信に満ちた表情。
父も兄も私も
ただ唖然としていた。
そこまでするのかと…
しばらく沈黙が続いた後
父のぐっと握られていた拳の
力が抜けた。
「薄々、わかってはいたが
それでもお前を信じていた。
だが、ようやくわかったよ。
お前と再婚したのは
間違っていた」
颯太は苦しげに歪む父の顔を
見ていた。
その言葉に目を見開く継母。
父は真っ直ぐと
継母の目を見つめ告げた。
「離婚しよう」