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「私が欲しいですか?お嬢様」
第29章 専属〜叶わぬ逢瀬〜
彩芽の頬に尚弥の手が触れる。
尚弥はそのままゆっくりと
唇を近づけた。
彩芽もまた寂しさと
この気持ちが紛れるならと
ゆっくり目を閉じた。
もういい…
あたしがバカだったんだ。
もういい…
尚弥さんはそばにいてくれる…
唇が重なろうとした
その瞬間…
『彩芽…』
あ、たし…
トンッー
彩芽は尚弥を突き放した。
「ご…ごめんな…さい」
尚弥は少し驚き戸惑った。
「いえ…申し訳ありません」
彩芽は自分の唇に手を当てた。
尚弥は立ち上がり、
頭を下げ挨拶をした。
「ゆっくり、おやすみください。
失礼いたしますね…」
そう言って尚弥は彩芽の部屋を出た。