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「私が欲しいですか?お嬢様」
第30章 尚弥〜溢れる想い〜
颯太さんがいなくなって
3週間が経った。
あたしの携帯は1度も鳴らない。
連絡がくるとしたら
詩織だけ。
「颯太さん…」
いつまで待ち続ければ
いいんだろう。
いつまで好きでいるんだろう。
あたしはどうしたらいいの…
颯太さんは婚約者がいて
邪魔なのはあたし。
彩芽はそんな思いを抱え
この日は外に出ようともしなかった。
鳴るわけないとわかっていても
この携帯が鳴ることを期待してる。
学園もずっと休んでる。
このままじゃいけないことは
自分が1番よくわかっていた。
どんな風にしたって
代わりを求めたって
虚しくなるだけで…
仕方ない。
好きなんだもの。
「…よし」
あたしは勢いよくソファから
立ち上がり、晴人さんの部屋へ
向かった。