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「私が欲しいですか?お嬢様」
第30章 尚弥〜溢れる想い〜


「いやだ!離して!」


尚弥は強く抵抗する彩芽に
何かがプツンと切れた。


その瞬間ーー



ドンッ







背中に感じるのは壁。

目の前に密着する尚弥の身体。


身長の高い尚弥は、彩芽を
囲い見下ろす。



「なら、俺のものになるか…」


その目は執事ではない。
ただの男。

彩芽はただ驚き何も言えずにいた。


「颯太に会わないというなら
今すぐ俺に抱かれろ…」



な…にを言ってるの…?

尚弥さん…?




彩芽は不安気に尚弥の目を
ひたすら見つめる。


フッと口角をあげ笑う尚弥。


「俺に抱かれたら、たとえ
あいつがきても、お前は渡さない」


1度抱いたら、もう離さない。


尚弥の目はそう言っていた。

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