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「私が欲しいですか?お嬢様」
第30章 尚弥〜溢れる想い〜



抱きしめる腕の中


広がる甘い匂い。


この匂いに酔ってしまう。







腕の中で頷く彩芽を抱きしめ
尚弥は自分の胸を焦がし
溢れそうになる
その想いに蓋をした。




そっと肩に手をおき
彩芽の顔を見る。




言ってしまいたい。

「では、準備をしていてください」



あなたをお慕いしていると…。



「はい、ありがと…」







尚弥は笑顔で頷き
部屋を出た。



パタン…





尚弥は閉めた扉を見つめた。





そのままゆっくり目を閉じ
もう一度目を開けると
その場から離れた。








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