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「私が欲しいですか?お嬢様」
第31章 専属〜誓いをふたたび〜

待って…違う…
颯太さんっ…
彩芽は行為に入る前に
きちんと言葉を交わしたかった。
颯太の口からきちんと。
「んっ…待って…おねが…い」
それでも颯太は彩芽への
愛撫を止めない。
彩芽はぎゅっと目をつむって
意を決した。
「待って!!」
さっきまでの声とは違うものに
颯太は驚き、顔をあげた。
彩芽は真剣な眼差しで
颯太を見た。
「ちゃんと聞かせて…」
「彩芽様…」
颯太は彩芽の真剣な表情に
手を止め、タオルケットを
彩芽の肩からかけた。
「そうですね、きちんと
お話しなくてはなりませんね」
「お見合い…するの?」
颯太は目を見開く。
どこからそんな情報を
聞いたのか…
いや、でも名雲家ならば
当然のことか…
「断りました、もちろん」
彩芽はその言葉に少しホッとした。
「私にはあなたしかいません」
「ほんとに…?」
不安気な彩芽を見て
間違っているかもしれないが
かわいいと思ってしまった颯太は
柔らかく微笑み、ベッドから降りた。
彩芽の方に向きなおり
膝をつくと、右手を差し出した。
「お手を…」
彩芽はそっと手をおくと
颯太は彩芽の手の甲にキスを落とす。

