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「私が欲しいですか?お嬢様」
第33章 颯太〜新たな出発〜

ーあの夜から1年がたった。
颯太さんは桜凛学園を卒業し
あたしが高校を卒業するまでは
専属で執事をしながら
華水木の旅館を継ぐことを決め
経営学を勉強していた。
毎日毎日、あたしの隣で
難しそうな本を呼んでいて
執事の仕事はやらなくてもいいと
言っていたのに、まったく聞かなかった。
「ねぇ、颯太さん
執事と勉強は大変だから…
あたし1人でできるし、やらなくていいよ?」
「いえ、やらせてください。
あなたと離れたら、それこそ勉強に身が入りません」
「なっっ!!」
そんな恥ずかしいこと、よく言えるっ…!
「それに、私を誰だと思っておられるのですか…?」
あの勝ち誇った顔…
思い出すだけで、ちょっと腹が立つ。
でも、颯太さんは本当にやってのける。
あたしはいつもその姿に魅了される。

