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「私が欲しいですか?お嬢様」
第3章 執事〜結斗〜
「あ、いえ…なんかごめんなさい」
結斗さんは首を傾げて
不思議そうな顔をしている。
「謝ることなど、ございませんよ?」
あんな事されたばかりだから
まともに顔が見れない。
横目でチラッと見ると
月明かりで照らされてとても
綺麗に見えた。
「何か…」
「え?」
「何か考えていたのですか?」
何か…考えていたと言えば
そうかもしれないけど
言える事ではない。
「いいえ、特に…ただ
月明かりがとても綺麗だったから」
「月明かり…そうですね、確かに。
とても綺麗ですね」
ふぅ…
このまま専属が結斗さんになったら
あたしは結斗さんと''する''のかな。
嫌じゃない…けど
なんだろう、なんかこう…
しっくりこない。
「彩芽様、専属の事
悩まれてますか?」
「えぇ?あ……うん」
考えてることが何故バレるのか
全然わからない。
そんなわかりやすいくらい顔に
出ているのかな?
結斗さんはあたしの方に向き
顔を覗く様にかがんだ。
「そんな顔をなさらないで下さい。
大丈夫です。今はお試しです。
彩芽様がこの人だ!と思う方を
選べばいいのですよ」
「けど…」
「例え、僕を選んで下さらなかったと
しても恨んだりしません。
ご安心ください」
「…っ!」
「これ以上はお身体にさわります。
中に戻りましょう」
「…はい」
結斗さんにかける言葉も見つからない。
なんて言えばいいのかわからずに
あたしは結斗さんの言う通り
中に戻った。