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「私が欲しいですか?お嬢様」
第4章 執事〜尚弥〜
颯太さんが言ってきた質問に
答えられずにいたら
結斗さんが代わりに答えてくれた。

「彩芽様は執事という者が今まで
いたことがないんだ、だから
お試しで1週間ついて、専属を決めやすい
様にしてるんだ」



結斗さんの言葉を聞いて
颯太さんはあたしをじっとみた。


「お試しで執事ですか…


それは彩芽様が言い出した事でしょうか?」



うぅ…。
怒ってるのかな…

「い、いえ。あの、友達が…
詩織が言い出した事なんですけど
断れなくて…」


「詩織様が……」

颯太さんは口元を上げ
フッと笑う。

「それで、次は尚弥を
お試しで執事につけよう…という
訳でしょうか?」


「え、あ…ちが…」


違くないか…
結斗さんに言われるがまま
ここに来てしまったし…

颯太さん、なんか怒ってる…



「俺はお試しで1週間つくのを
良しとしてる、それでいいだろ」


何かを察したのか
尚弥さんがあたしと颯太さんの
間に入った。


「…別に私は何も言っておりませんよ?」


「お前の目が言ってるんだよ」


「失礼ですね、尚弥。私は元から
こういう目ですよ」


「お前はすぐそう…!」


ひぃぃ。
言い合いになってる!
どうしよう!


「まぁまぁ!2人とも!」

険悪ムードの中
それを破ったのは結斗さん。


「尚弥もそう怒るな。
颯太も、彩芽様の気持ちを
くんでやれよ」


「ー。私は特に気にしていませんよ」

そう言いながらも
颯太さんは鋭い瞳であたしを捉える。
そして、それを遮る尚弥さん。



「これから1週間は俺がつく」


フッと笑い、颯太さんは談話室を出た。
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