この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
「私が欲しいですか?お嬢様」
第4章 執事〜尚弥〜

ひぃぃぃぃ〜
「やっぱり無理だよぉ〜!」
「ハァ…これは思った以上に
時間がかかりそうですね…」
「彩芽!センス無さ過ぎるよぉ〜!」
「根気良く続けましょう」
ダンス練習始めて3時間…
あたしには全くと言っていいほど
ダンスのセンスは無いらしい。
昔から運動という運動は
全くセンスはなかったけど
まさか、社交ダンスまでセンスが
ないなんて…
情けない。
尚弥さんも詩織も大和さんも
疲れきってる…
「ごめんなさい…」
「彩芽様、今日はこの辺にして
ご自宅へ帰りましょうか?」
気にするあたしに
尚弥さんはもっと気を遣う。
けど、もうこれ以上は正直できそうにない。
「彩芽!大丈夫だから!
また明日練習しようね!」
「詩織様、明日はバレエですよ?」
「あー!そうだ!
じゃあ、彩芽、明後日!ね?」
「うん…ごめんね」
明後日、また詩織の家で
練習するのを約束して
尚弥さんと一緒に車に乗り込んだ。
こんな状態で、尚弥さんに
練習付き合ってもらうなんて
申し訳なさすぎる。
「尚弥さん」
「…ダンスの事、気にして
おられるのですか?」
「あ…はい。こんなんで…
尚弥さん疲れますよね…てへへ」
たぶん、あたしの顔
今すごく引きつってる。
「彩芽様はつい最近まで
こういう世界にはいなかったのですから
いいのですよ、それで」
目が笑わない尚弥さんは
この上なく優しく微笑んでくれた。

