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「私が欲しいですか?お嬢様」
第4章 執事〜尚弥〜
そう言って尚弥さんは
部屋の明かりを消した。
ベッドの隣に椅子を置き座る。
「お手を…」
優しく出される手。
きっとこれは尚弥さんなりの優しさ。
そこにそっと手を重ねた。
「彩芽様の手は小さいのですね…」
まるでマッサージをするかの様に
優しく手を撫でる。
目は笑わない執事。
一見冷たく感じるけど、その手は
その人の優しさを表していた。
「…小さいですかね…
クス…尚弥さんが大きいんじゃないですか?」
目を細めて優しく微笑む。
「やっと、笑ってくださいましたね」
「…え?」
「いえ、今日はとても疲れているはずです。
もう眠りましょう」
あたし、笑ってなかったのかな…?
「はい、おやすみなさい」
優しい手つき。
微笑み。
ぶっきら棒かと思ったら
こんなに優しい人だったなんて。
例え、これが執事として
だったとしても、女の子は
嬉しいんだろうなぁ。
そんな事を思いながら
ダンスの練習で疲れ果てていたあたしは
すぐ眠りに落ちた。
そんな彼女の寝顔を見てつぶやく。
「…おやすみ。俺のお嬢様」