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「私が欲しいですか?お嬢様」
第4章 執事〜尚弥〜
翌朝、目が覚めると
隣にいたはずの尚弥さんは
いなくて
携帯が光っていたのに気づいた。
ピッー。
詩織からの連絡だ。
ーおはよ!彩芽!
今日は午前中、ダンスの練習だから
動きやすい服持ってきてね!ー
「え、午前中って…
授業で練習やるの!?」
そんな話聞いてない。
いや、あたしが聞いてなかっただけ?
ううん、まさか!
コンコンー。
「彩芽様、起きていらっしゃいますか?」
ドアの向こうから尚弥さんの声。
きっと朝ごはんだ。
「はい!」
ガチャー。
「おはようございます」
「おはようございます…」
ぶっきら棒だけど、やっぱ
この人かっこいいかも。
結斗さんは可愛い系のイケメンだけど
尚弥さんは肉食系かな?
「あの、今日午前中は
ダンス練習ってほんとですか?」
朝食を並べる手が止まり
あたしを見る。
「詩織様から、連絡が入りましたか?」
コクリと頷く。
「昨夜遅くに決まったみたいです。
ただ、学園全体での練習ですので
各自練習は好きな所で。
もちろん学園内で、ですが。
彩芽様は詩織様とご一緒の場所に
なるかと思いますよ」
あ、そうだよね。
詩織からこうやって連絡がきてるってことは
そういうことだよね。
「一ヶ月前って、練習増えるんですか?」
「増えますね。ですのでー」
朝のコーヒーを入れ
コップを置く。
カチャ。
「ので…?」
その瞳はまっすぐあたしを見据えて
「覚悟しておいてくださいね」
ひいぃ!
言うと思った!
思ったけど!
実際言われると恐怖で鳥肌!
「お、お手柔らかにお願いします…」
おずおずとあたしは尚弥さんに言った。