この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
「私が欲しいですか?お嬢様」
第4章 執事〜尚弥〜
ハァ…踊れた。
初めて全部…
「そう。上手です。
できるではありませんか」
「ありがとう、ございます」
ニッコリ微笑む颯太さん。
やっぱりこの人は優しい。
この前のは気のせいだったのかな。
初めて踊れて、褒められて
ちょっとくずぐったい。
「では、私はこれで失礼しますね」
「あ!あの!ありがとうございました!」
「いえ、では失礼いたします」
それだけ挨拶すると颯太さんは
教室を出ていった。
後ろ姿もかっこいいと眺めていたら
「あっやめー!」
ガバッー!!!!
急に後ろから抱きつかれた。
「踊れるじゃん!」
「え!?見てたの!?」
ふっふっふーと笑いながら頷く。
「途中からだけどね!でも
ちゃんと出来てたよー!!
すごーい!」
「うん、ありがとぉ!」
あたしは、詩織と一緒に
踊れた事の嬉しさを噛み締めた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「どういうつもりだ、颯太」
「別に、ダンスを教えただけです」
「今は俺がついてるんだぞ」
「…なら、もう少し上手く
教えたらどうですか?真壁」
「ーっつ!?」
あたしはこの時
尚弥さんがこんな会話をしていたなんて
知らなかった。