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「私が欲しいですか?お嬢様」
第4章 執事〜尚弥〜

帰りの車の中、
今日は午前中の練習以降
なんとなく、尚弥さんの様子が
おかしい気がする。

まとってる空気が…


「彩芽様、帰宅しましたら
すぐにお食事を用意いたしますので
よろしければ先にシャワーを…」



「あ、はい」

決して目を合わせようとしない
尚弥さん。
なぜなのか、あたしにもわからなかった。


わからないまま帰宅して
シャワールームへと入った。


「…やっぱ変だよね。
あたし何かしたのかな」


いつから様子がおかしくなった?

練習中で…休憩して

飲み物買いに行ってくれて…

そのあと…




もしかして…見られてた?


あのあと、詩織はすぐ入ってきたから
見られてたのはわかったけど
尚弥さんは少したってから入ってきた。

いや、でもそれなら
見てないよね…




悶々と1人でたくさん考えたけど
結局わからないまま
あたしはシャワールームを出た。

出ると尚弥さんが待っていた。

「髪の毛を乾かしますので、こちらへ
お座りください」


相変わらず、不機嫌そうな感じだ。


「…はい」


髪の毛を乾かしてくれる手は
とても優しいのに…。
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