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「私が欲しいですか?お嬢様」
第5章 颯太〜愛玩〜
互いにそれぞれ身なりを整える。
颯太はこれで最後にしようと決めた。
誰かを彩芽の代わりにすることを…
このままでは彩芽の専属になった時
厄介な事になりそうだと
颯太は思っていた。
「少しはスッキリした?」
彼女がかける言葉に
振り向く事なく告げた。
「これで、最後にします」
「…え?」
状況がイマイチ理解できてない彼女に
向き直り、再度告げた。
「こういう事はもう終わりにします。
もう誰も代わりで抱くことはしません」
彼女は目を見開き、颯太を見つめる。
その目には涙が溜まる。
「申し訳ありません」
「彼女の専属に…つくの?」
「いえ、まだわかりません」
「なら!いいじゃない!
あたしは愛玩人形でいいって…」
「……なら…」
少しだけ彼女の顔が明るくなる…
颯太は瞼を閉じ、
人がせっかく丁寧に告げたのに
こんな風にされるのは困る。
ゆっくり瞼を開いて告げた。
「私の愛玩人形です。
いつ、切ろうとも私の自由…」
明るくなった彼女の目は
涙をたくさん溜め、見開く…
まるで何かに怯える様な表情。
「そうですよね?先生?」
「……わ、わかった…」
颯太の目は冷えきった目をしていた。
ネクタイをきゅっと締め
覚悟を決めたかのように、
颯太は部屋を出て行った。