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「私が欲しいですか?お嬢様」
第6章 執事〜波乱〜
「そんなことっ言っても!!」
「私なら…」
颯太さんはあたしの右手を取り
手の甲へ口付け…
「あなたに忠誠を誓います」
ーっ!!!!
思わず赤面してしまう。
その姿は確かに執事なのに
その行為はまるで王子様だ。
「彩芽様!!」
やばっ!
聞こえてきた尚弥さんの声に
手をパッと振り払った。
「ふふ、真壁が来ましたね…」
やばい、このままじゃ鉢合わせる。
と思った時には遅かった…
「…颯太…」
「やぁ、真壁」
尚弥さんはあたしと颯太さんを
交互に見た。
「どういう事ですか?彩芽様」
「いえ、あの、たまたま…」
「たまたま?」
尚弥さんの勢いに負けそうな
あたしの前に颯太さんが立った。
「真壁、落ち着いてください?
あなたはあくまでも執事ですよ。
ここまでする権利はどこにもない。
それに、私が会ったのはたまたまです」
「…わかった」
尚弥さんが返事をすると
私に向き直り
「では、私はこれで。
真壁が何か失礼をしたら、私に
お伝えくださいね」
あたしはただ頷き、目を見た。
そして、颯太さんはその場を去った。