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「私が欲しいですか?お嬢様」
第6章 執事〜波乱〜

ー放課後。
「彩芽様、談話室へ行きましょう」
「…はい」
いつまでも''お試し''は
していられないのはわかってる。
けれど、もう1人。
もう1人だけ、''お試し''をしたい。
颯太さん…
そんな事を思いながら
あたしは尚弥さんと談話室に向かった。
コンコンー。
ーはぁい。
この声は結斗さんだ。
ガチャ。
「彩芽様!お久しぶりです!」
結斗さんの笑った顔に
ほっと何故か安心した。
「こんにちは、結斗さん。
元気でしたか?」
「はい、僕はいつでも元気ですよ!」
ニカッと笑う笑顔がとてもいい。
思わずつられて、ふふっと笑ってしまう。
「尚弥!どうだった?一週間」
その質問に、尚弥さんは
あたしを見る。
確かに独占欲が強くて、
主人であるあたしの方が
何となく立場が下な気はしたけど、
それでも彼はとても優しくしてくれた。
少し不安気な尚弥さんに
ニコッと笑い答えた。
「とても優しかったですよ。
ちょっぴり独占欲は強いけど
嬉しかったです」
尚弥さんは少し驚いた顔をしていたが
結斗さんは大笑いした。
「ははっ!やっぱり
独占欲丸出しでしたか!
彩芽様、こいつの欠点はそこなんですよ!」
「お前っ!余計なこと言うな!」
あたしそっちのけで
互いに言い合う2人。
その光景は
執事なんてものはなくて
ただ友達として
じゃれ合ってる様に見えた。

