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「私が欲しいですか?お嬢様」
第6章 執事〜波乱〜

ガチャー。

じゃれ合ってる2人を見て
笑っていたら扉が空いた。


「小萩も真壁も、外まで声が
聞こえていますよ」


「「颯太!」」


「颯太さん…」


そこには、少しネクタイを
緩めた颯太さんがいた。



ーかっこいい。


ネクタイを緩めた姿が
かっこいいと言う女子がいるけど
今ならそれがすごくよくわかる。


「彩芽様、失礼いたしました。
こんな格好で…」

そう言うと緩めていたネクタイを
戻してしまった。


「あ…いえ…」

ちょっと残念。



「今日で真壁が最後でしたね」


「はい」


慣れた手付きで、颯太さんは
紅茶を入れて、どうぞと出してくれた。

「お決めになりましたか??」



その言葉に、結斗さんも尚弥さんも
じゃれ合いを辞め真剣にこっちを向いた。



ゴクッ…



3人の視線が痛い。

「あの…えっと」

視線に耐えきれず思わず俯く。




けれど、このままというわけにもいかず
意を決して言った。






「お試し、もう1人お願いしたいです」


この言葉に3人共、目を丸くした。
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