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「私が欲しいですか?お嬢様」
第7章 執事〜颯太〜
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コツ、コツ、コツー
あたしの荷物を持って
颯太さんは黙って部屋までの道を歩く。
ガチャー。
「どうぞ、お嬢様…」
「ありがとうございます…」
お嬢様ってなんか慣れないな…
やめてもらえないかな。
慣れた手付きで颯太さんは
あたしの荷物もどんどん片付け
部屋着を持ってくる。
その姿すら絵になる。
「颯太さん」
「はい」
「その、お嬢様って
やめてもらいたいなーなんて…」
「彩芽様の方がよろしいですか?」
「うん…なんか
くすぐったいというか慣れないというか」
「そうですね…では」
コツコツー。
颯太さんはあたしの腰に手を回し
右手を頬に添える。
おでこをくっつけられ
今すぐにでも唇が当たりそうな距離。
「お嬢様から、上手にキスが
できましたら彩芽様に戻しましょう」
ーっんな!?
颯太さんはとんでもない交換条件を
出してきた。
「〜っ!またからかってるんですか!?」
「からかってなど、いませんよ?」
クイッと顎を持ち上げられ
さらに唇が近づく。
「早くしないと、私から
してしまいますよ?」
〜っ!!!!
あたしは意を決して
一瞬だけチュッとした。
「これでいいですか!」
あたしにはこれが精一杯だけど
颯太さんにとっては違ったらしい。
「クスッー。これがキスでしょうか?
違いますよ、お嬢様?
キスとはこうするのです」
そう言って颯太さんは
あたしの口を塞いだ。
チュ…クチュ…チュパ
「んっ!!」