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「私が欲しいですか?お嬢様」
第9章 番外編〜大和×詩織〜初体験
それからしばらくは
大和も詩織も黙ったままだった。
先に沈黙を破ったのは
詩織だった。
「大和は、私が他の人と
エッチしてもいいの…?」
この質問は…
大和は考えていたことが的中して
しまったと思った。
「私は、やだよ…
初めては大和がいい」
大和はわかっていたが
やはり驚きが隠せなかった。
執事として、そばにいられれば
それで良かったのだ。
入学してきた日、一目惚れをした自分を
抑え込み、ただ執事として
この人のそばにいられれば…
そう思っていたのに
大和の理性は今にでも吹き飛びそうな
勢いだった。
「…ごめんね、困らせて」
大和の手を離れ
スッと立ち上がり窓ぎわに行く詩織。
その目にはまた、うっすらと涙が
浮かんでいた。
執事に恋をするのはタブー。
わかってはいるけど、
やはり初めては好きな人がいいと
心に決めていた。
けれど、それは相手を困らせる。
なら、覚悟するしかない。
と詩織は決意した。
くるっと振り向き
無理矢理、笑顔をつくる。
「お見合い、受けるよ。
大丈夫。ごめんね、大和」
そう言って潤んだ瞳で
精一杯笑う詩織を大和は
衝動的に抱きしめていた。