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昨日の夜は
第2章 真樹
「ママ、戻った?」

「まだです、でもそろそろ戻りますよ」

晃が店全体の照明のスイッチをいれる

明るい店内に女性が三人、男性が二人それぞれソファに座った

「今日は予約の方いる?」

「橋爪様がお連れ様と3人の予定ですが時間がはっきりしてません」

晃が手帳を見ながら答える

「橋爪様は大切なお客様だから粗相の無いようにしようね」

「はい」

真樹の言葉に皆が返した

「じゃあ、笑顔で頑張りましょ」

「はい」

返事をするとそれぞれが立ち上がった

晃が店のBGMのスイッチを入れる

真樹はカウンターの花の位置を直した

「真樹さん、ご機嫌ですね」

グラスを磨きながら晃が話しかける

「お休みになにかいいことあったんですか」

「うん、ちょっとね。晃君は何してたの?」

「自分は実家の手伝いですよ」

「へぇ、お休みなしなんだ・・働きすぎだよ 無理しないでね」

「ありがとうございます」

ドアが開いて小柄な女性が入ってくる

「お帰りなさい、ママ」

「ただいま。はぁ、遅くなっちゃったわ、ごめんね、お客様はまだ?」

「まだですよ」

「この雨じゃあね、また霙っぽくなってきたわ、いやねぇ」

「今日はヒマかもね・・」

ママはため息をついた

「はぁー、嫌な話ばっかりね。真樹ちゃん、私は奥にいるからよんでね」

「はぁい」


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