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第2章 変わりゆく‥

肩を震わせ泣く女を俺は抱きしめた。

女は拒絶することもなく、ギュッと強く抱きしめると俺の胸に顔をうずめ大声を出しながら泣いた。


しばらく抱きしめていると女の力が緩むのを感じ女の顔を覗き込むと、フッと薄笑いを浮かべていた。


その顔は柔らかかった。


女から離れ‥


「‥ありがとう‥」


ニコリと笑った顔は俺が初めて見る、その女の微笑みだった。

俺はもう一度、女を胸に引き寄せ女の唇に触れるだけのキスをした。


「‥本当にありがとう‥」


女はもう一度笑い俺に背を向け路地裏を出てタクシーに乗って俺の前から去っていった。