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貴方色に染められて‥
第3章 君を助ける為に‥
マスターとすれ違い様に目配せてテーブル席へと向かった。
「貴志さん、そろそろ奥様連れて帰られた方がよろしいかと?」
「そうだな‥」
旦那は女を抱きかかえBARを出た。
俺は旦那の背中を殺意さえ感じる思いで見つめ祈った。
‥助けるまで無事でいてくれ。
「ねぇ、昴、帰る?」
「あ?俺はまだ、英介と話しがあるし、これから忙しくなるから暫く家には戻らない」
「うそぉ〜やだぁ〜淋しい‥」
「何が淋しいだ?遊べれていいだろう?」
「やだ、遊んでなんかいないわよ〜じゃあ、いい子にしてるから早く仕事終わらせて帰ってきてね」
「‥もう帰らない」
「えつ?今、なんて言ったの?聞こえなかった」
俺の呟いた言葉は店内にいた英介の嫁と黒澤のキャピキャピした声で掻き消された。
英介と目で合図をした。