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・甘い夢 灯の煢・
第2章 ・出会い・
その二人の掛け合いに笑ってしまう煢だった。

窓の外の景色は、光るネオンから大分遠ざかっていっていた。


「あっ笑いましたね煢君 年下君なら煢君でいいよね~ 今日はでも本当にお料理も美味しかったし、ワインもショコラも~」


「ありがとうございます。そう言って頂けると嬉しいですね。」


「本当にお土産にショコラまで頂いてしまって、すみません煢さん」


それにいえいえといいながら片手をあげていた。


話しは尽きず、というよりも紗姫のオンエアショーのように一人喋りだったが楽しい時間が流れた。

とうとうこれが聞きたかっだと言う最後、家に近くなったあたりでさりげない聞き方だったが紗姫は身を乗り出したいのを我慢しつつ質問をした。


「煢君、そんなに仕事ばかりしてたら彼女さんがいたら淋しい思いしちゃうね。煢君もてそうだし~」


「いろんな方にもてそうとか言われますが、実際は僕の肩書だったり経験だったりにでとくにモテたりしてませんよ。それに実際、仕事が忙しいし出会いなんかもないですしね」


それによっしゃと言わんばかりに拳を握った紗姫の手がガッツポーズになるところをすんでで止めた夢雪だった。


「そうなんだ~それなら益々、回りの女性がほっておかないだろうね~」


それに苦笑した煢。

「今は仕事に集中したいですし、そんなに彼女が欲しいなとかも考えてませんね」


それに肩を落としはしない紗姫だ。こうなっては紗姫が煢をゲットしてしまう程の身の乗り出しようだったが、友人の彼氏となった人を奪うという事だけはしなかった紗姫だった。

「え~勿体ない。夢雪も今は彼がいないんですよ、この子バレンタインが誕生日なのに私がお祝いの相手だったんですから~」


それにバックミラー越しに夢雪を見る。 目があってしまい、俯く彼女を見ながら彼氏いないんだと思いちょっとやったと考えてしまう自分におかしくなった。


「夢雪さん、誕生日バレンタインだったんですね。だからショコラ好き?」


「そういう訳でもないけど誕生日にはいつもショコラを母が。紗姫ちゃんお喋りし過ぎ。煢さんお仕事で疲れてるかもなのに。」


その気遣いが嬉しかった、煢だった。


「大丈夫ですよ、紗姫さんのお話 楽しいですし。あっ目的地近いですね、あの角 右で大丈夫ですか?」
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