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・甘い夢 灯の煢・
第2章 ・出会い・
階段を昇ろうとしたところを、腕を掴みすっぽりと夢雪を包みこんでしまった煢は自分自身に驚いたが、腕を離す事はせず抱きしめたのだった。


驚いた夢雪だったが温もりとショコラの甘い香りにほっとした自分を感じでいた。


「ごめん、どうしても我慢できなくて。ショコラを食べてから眠ると言った笑顔が可愛くて。」


もがく事はせず、上を見上げた夢雪。身長の高い煢にすっぽり隠されてしまう夢雪。低い訳ではなかったが煢が高すぎるのだ。


「今日は謝ってばかりですね、煢さん。私の方が迷惑をかけたのに。」


それに驚いて首を降った。


「夢雪さんは悪くないよ、何も気にしないで。今すごくおやすみの挨拶をしたかったから、少しだけこのままでも?」

それに頬を赤らめ煢の胸に顔を埋めた。

あたたかいのが気持ちいいと呟いた言葉で煢の理性が飛んだ。


今日、二度目の 唇はやはり気持ち良いくらいに柔らかく、今度はバード・キスのように優しいものではなかった。


唇を食べてしまう程に息を尽かせぬ、程に煢は夢雪の唇を味わい、夢雪が苦しさに胸を押してきても抱きしめる力が強まっただけだった。

煢の心に灯びが燈り、かかりびに炎を付けたのは夢雪だったのだ。


煢の作ったショコラを食べたのは夢雪だったのに、かかりびを燈されたのは自分だと言う事に苦笑しながらも、止められなかった口付け。


唇から溢れ出る想いに、夢雪の心にもあたたかいかかりびが燈る


だが、それは煢よりもゆっくりとまだ小さな炎でしかなかった。


唇から漏れる想いと共に絡まる舌はやはり甘いショコラの味がした気がした。


瞼に落とされるキスと頬に優しい唇が触れて、夢雪の身体が熱く反応を示し初め煢を抱きしめた。それに思い切り抱きしめ返す煢。


彼女の髪に顔を埋めて全身の身体が溶けてしまうのでは、と思いつつ 猛りを抑えもう一度だけ強く抱きしめ最後はそっと唇を重ね、ゆっくり身を離した。


これ以上ぬくもりを感じたら何をするか、自信がなかったからだ。


「今日、夢雪さんに逢えて本当に嬉しかった。紗姫さんには仕事で忙しいからなんて言ってごまかしたけど、今も自分の気持ちがどんな事がおこってるか急過ぎて分からないんだ」
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