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本当の貌
第2章 味くらべ
中本さんは私服姿だった。
グレーのダウンコートに黒のパンツ、
ベージュのショルダーバッグを
下げている。退勤時間を過ぎている為、
私服姿は当然であったが、なぜ
休憩室へ来たのか……?

「山崎君、お疲れ様。昨日はどうも」
「お、お疲れ様です、中本さん」

いつもと何も変わらない挨拶だが、
やはり昨日の出来事が強烈過ぎて、
ぎこちない反応をしてしまう。

「どうしたんですか? もう、退勤時間
は過ぎてますけど……」
「どうしてって、寂しい事言って
くれるじゃないの。昨日、あんなに
燃え上がった仲なのに」

ドラマの中で聞くようなセリフだった。
何て卑猥な響きなんだ……。
確かに、言われた通りなのだが、
実際に言葉に出されると、ドキッと
してしまう。

「今日、水沢ちゃんと話したみたいね。
彼女が言ってたわ」
「ええ、少し話しましたよ」

中本さんはニヤリと笑って、俺の座る
ソファーの隣りに腰を下ろした。
仄かに香水の匂いが鼻腔を擽り、
甘美で妖艶な昨夜を、より一層
思い出させる。

「何を話したの?」
「何って…、仕事の話ですよ。
けど、あの時ホームで急病人が出た
から、すぐ現場に行って…、なので、
水沢さんとはそんなに話せません
でしたよ」

そう、あの時、桑原さんが呼びに
来なければ、もう少し話ができた
かもしれない。
あの赤い痣……、キスマーク……?
その事を俺はまた思い出した。

「水沢さんって、彼氏いるんですか?
それとも、結婚されてるんですか?」

思わず問いかけた。
中本さんは不思議そうな顔で小首を
傾げた。

「え、なんで?」
「いや、その…、ちょっと気になる
ものを見たもので……」

俺は正直に話した。
水沢さんの首筋にあった赤い痣の事を…
すると、中本さんはいやらしく笑い…

「それ、きっとキスマークね。
誰かに食べられたんじゃない?」

と、返してきた。
誰かに……?
彼氏とかじゃ…?

その時、考える俺に、中本さんは
突然抱きつき、俺の右側の首筋に
キスをしてきた。
強く、強く吸い付かれる。
数秒すると、中本さんはキスをやめ、
上目遣いで俺を見ながら言った。

「はい、これで水沢ちゃんとお揃いよ」
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