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本当の貌
第2章 味くらべ
休憩室で、中本さんにフェラチオ
された後、俺は仕事に戻った。
興奮状態にあった頭を仕事モードに
切り替え、駅の事務所へ戻る。
駅係員が改札口に立つ順番は
決まっており、俺がたつのはまだ
1時間後だった。

「戻りました」
「おう、それじゃ行ってくるわ」

俺と入れ替わるように、上司の
南田助役が休憩室へ行く。
すると、桑原さんが俺に手招きを
しがら言った。

「山崎、ちょっと来いよ」
「はい…?」

桑原さんのデスクに歩み寄る。
何やらニヤニヤしている様子だ。
彼は引き出しを開け、一冊の雑誌
を取り出した。
それは、アダルトDVDの雑誌だった。

「おい、山崎。どうだこの女優。
乳はでかいし、顔も可愛い。俺が
今一番ハマってる女優なんだよ」

桑原さんは、所謂「エロDVD」が
好きで、大量に蒐集している。
雑誌を見ては、気に入った女優を、
俺に勧めてくる。上司が席を外す
と、いつもこうやって、二人で雑誌
を見る。

「ほら、お前も見てみろよ」
「はい、ありがとうごさいます」

桑原さんから雑誌を受け取り、適当
にページをめくる。有名AV女優が
自分の作品を宣伝するように、セクシー
なグラビアと一緒に載っている。

つい先程、射精してきたばかりなので、
さすがに性欲も減退している。その為、
雑誌を見るのもかなり適当だった。

いつしか、ページは素人DVD、街頭
インタビューなどのコーナーになり、
カラーページですらなくなった。
そして、「撮れたて裏DVD」という
コーナーに差し掛かった時だった。
俺は目を疑った。

「これ……」

小さい声でそう言った。
桑原さんが「いいのあったか?」と、
雑誌を覗き込んだが、モノクロページ
の為、興味がないといった様子だった。

雑誌の左下、8分割されて一枠ごとに
作品が紹介されている中の一つ。
複数の男達に犯されている女の作品。
男女共、顔と性器にモザイクが掛か
っているのだが、俺は直感した。

「水沢…さん……?」
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