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本当の貌
第1章 肉体関係
あれから一週間後。
俺は中本さんと休みの都合を合わせ、
本当に食事に行く事になった。
彼女にしてみたら、
息子と変わらぬ年齢の俺に対し、
世話を焼いてくれているような
感覚なのだろう、そう思っていた。

俺は中本さんがよく行く焼肉屋に
誘われた。口コミでも評判の店だ。
確かに、体力がつく食事である。

待つこと五分、中本さんが来た。
しかし、もう一人…
水沢さんも一緒だった。
普段から着ている黒いコートを、
今日は脱いで、手に持っている。

「あ…」
俺は生まれて初めて、
絶句したと自覚した。

何だ、あの水沢さんの身体は…
正直、水沢幸恵は美人ではない。
化粧も薄く、雰囲気も地味だ。
だが、厚着勝ちな冬服の上からでも、
波打つように揺れる豊満過ぎる胸は
確認できる。 あの胸はG…、いや、
Hカップはあるんじゃないか……?
お腹にも肉は乗っているが、
胸のインパクトに比べたら、
気にならなくなる…。
足も太いが、俺の好きな太さだ。

水沢さんの日本人離れした肉体に
見惚れていると、中本さんに声を
かけられた。

「ごめん、待たせた?」
「いえ、さっき来たところですよ」

中本さんと水沢さんは、
仕事の休みが同じだった。
なのに、少し大きめなバッグを持ち、
冬の夜なのに、上着を脱いでいた。

「今、二人でヨガに行っててね。
帰りなのよ」
「そうですか、仲良いんですね」

なるほど、身体が温まっているということか。
中本さんはそうでもないが、水沢さんは汗もかき、
少し息が上がっている様子だった。
遅れると思って急いだのだろう。

店にはいると、馴れた感じで中本さんが
若い店のスタッフを呼ぶ。
予約してくれていたらしく、店員の誘導で
席まで移動する。
店員に続き中本さん、俺、水沢さんの順で進む。

「はぁ、はぁ…」

まだ息が整わない様子の水沢さんに、思わず

「大丈夫ですか?」

と、声をかける。
額に汗を浮かべながらも、「はい」と、
笑顔で応じてくれる。

しかし、汗をかく様子に興奮を覚え、
妙に意識してしまう……
熟女には興味が無いと思っていたのに、
この感覚は何だ?
いや、彼女と別れ、最近ご無沙汰なんだ。
単に欲求不満なだけだ、そう自分に言い聞かせ、
俺は平静を保つよう心掛けた。

でも、本当はこの時…
見抜かれていたんだ…
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