この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
恋セヨ乙女
第13章 修学旅行ナイショの恋
「その顔」


うつむく私の顎に先生が指をかける。
……何?
先生を見ると何故か嬉しそうに私を見ていた。


「俺が出掛けるときのうちの犬と一緒」


「……私は犬じゃないですよ」



「でも鈴村さん見てるとマユ思い出すんだよな、不思議と」


「失礼ですよ!」


そしてずるいですよ。
酷いこと言った後にそんな風に笑ったりして。


「何で?うちのマユは可愛いけど?」


「………トイプードルは可愛いですよね」


「その中でも器量良し」


「ははっ…親バカ」



宙ぶらりんな私は芯がないからすぐに揺れてしまう。
分からない先生に、真っ直ぐな大地に。


「鈴村さん?」


苦しくて俯いた。
出なくなった言葉の代わりに目頭が熱くなる。


先生が背中に手を添え私を覗き込む。
そして目をわずかに見開いた。
ポタリポタリとこらえきれない涙が膝に落ちる。



「先生はズルい…」


「え?」


「ズルいですよ…」



私をからかってばかりで、意地悪かと思えば優しくなって。


「急に冷たくなるし、かと思えばこんな…」


こんな風に私に触れる。



「先生……」



彼女がいるのに、私はただの生徒なのに。
恋愛経験のない私は先生の態度一つで簡単に一喜一憂して。



冷たくするなら冷たいままでいてほしかった。
大地に向かいかけた気持ちをそのまま走らせてほしかった。



ガチャっと廊下でドアの開く音がした。
コツコツと靴音が聞こえる。先生が見回りに行くのだろうか…









/422ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ