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恋セヨ乙女
第15章 動き出した関係
明日、大地と会う約束をしている。
何週間ぶりだろう。


お土産を渡して、そして…
ギュッと唇を結ぶ。


黒板に向かう先生の背中。
カッカッとチョークの削れる音。ノートを取るクラスメイト。


……先生、大地に嫌われるはずですね。
私、初めてだったんですよ?
先生だって知ってたでしょ?


もしかしたら私の気持ちだって分かってたんじゃないですか?


周りに習って私も黒板を書き写す。
少し右肩上がりに癖がある先生の字。


「………」



本当にこのまま夢になるかもしれない。
でもそうするしかない。
…一瞬、ほんの一瞬だけ『それでいいの?』って自分の中の自分が問いかけた。


いいんだよね…?
だってどうしようもないことなんて世の中には沢山あるんだもの。


あんなに頑張った高校受験だってそう。
でも、どうしようもなかった…



きっと先生の事も大地の事もあの時と同じで流れに逆らわず身を任せるしかない。


…いつかそれでよかったって思えるはずだから。










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