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第15章 動き出した関係

「ん…帰れなくなっちゃう」


「あとちょっとだけ」


二人きりの甘い空気は少し前のものとはまるで違う。
……幼馴染みの私たちは私たちなりに恋人にシフトできているようだ。


「……真優」


「なあに？」


「………」


その続きに詰まった大地の手が不自然な形で宙で止まっていて、私の予感は確信に変わる。


「もしかして…触りたい？」


「！！、ど、どこをだよ！」


「………」


白々しいというか素直じゃないというか。
男の子って単純なのに分かりにくい。
それが純粋に不思議で大地の目をじっと見ていたら観念したように大地が頷いた。


「……はい」


「………」


「でも、無理にとは言わねーし我慢できる」


「………」


「だから…なんつーか…」


「………」


「な、何だよその目」


耳まで真っ赤な大地がテンパっている。
急に素直になったと思ったら、今度は照れたり慌てたりして…
それは今まで私の知ってた大地じゃないみたいでちょっと面白い。


「しょうがねーだろ！？好きな女は触りたくなるんだよ！」


「…………」


「べ、別に…今すぐって訳じゃねーから…」


「………」

たじたじってこういう事だろうか。
だんだん勢いを失う様を見ていたら大地にならいいかな…なんて思えてくる。