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恋セヨ乙女
第15章 動き出した関係
「先生の家のワンちゃんらしいですよ」
「トイプードルの女の子なんです」
「へぇ…」
「誰かさんと名前は同じなのに誰かさんよりずっと可愛くて賢いんです」
「だから犬と比べないでください!」
「…真優は見たことあるの?“マユちゃん”」
「ありません。お話だけ…」
「マユは実家の犬なんで今は母親と暮らしてます」
「……そう」
サナちゃんは微妙な顔で相槌を打つ。
「何か二人仲いいね、今日は二人で来る約束したの?」
「本当はハルちゃんと三人で。でもハルちゃんが風邪で来れなくなったから」
「仕方なく二人ですよ」
先生はいつもの意地悪な顔で私を見る。
「吉野先生なんか今日はナチュラルだね」
「そう…ですか?」
「うん、なんつーかいいと思うのよ、そんな先生も。でもね…」
サナちゃんは言いにくそうに私たちを見る。
「……やっぱいいわ、今は」
「?」
「ところで真優、進路は考えてるの?」
サナちゃんは急に話の方向を変えた。
その変え方が不自然で何だろうと不安が過る。
「なんとなくですけど…」
「上に上がるの?」
「いえ、一応受験はするかもしれないけど出ると思います」
「そうね、上に行くんじゃ真優はもったいないわ」
「………」
そんなこともないと思うけど。
急に始まった進路指導に私は戸惑ってしまう。
「吉野先生、生徒たちの事頼みますね。新任でも立派な教師なんだから」
「……はい」
「トイプードルの女の子なんです」
「へぇ…」
「誰かさんと名前は同じなのに誰かさんよりずっと可愛くて賢いんです」
「だから犬と比べないでください!」
「…真優は見たことあるの?“マユちゃん”」
「ありません。お話だけ…」
「マユは実家の犬なんで今は母親と暮らしてます」
「……そう」
サナちゃんは微妙な顔で相槌を打つ。
「何か二人仲いいね、今日は二人で来る約束したの?」
「本当はハルちゃんと三人で。でもハルちゃんが風邪で来れなくなったから」
「仕方なく二人ですよ」
先生はいつもの意地悪な顔で私を見る。
「吉野先生なんか今日はナチュラルだね」
「そう…ですか?」
「うん、なんつーかいいと思うのよ、そんな先生も。でもね…」
サナちゃんは言いにくそうに私たちを見る。
「……やっぱいいわ、今は」
「?」
「ところで真優、進路は考えてるの?」
サナちゃんは急に話の方向を変えた。
その変え方が不自然で何だろうと不安が過る。
「なんとなくですけど…」
「上に上がるの?」
「いえ、一応受験はするかもしれないけど出ると思います」
「そうね、上に行くんじゃ真優はもったいないわ」
「………」
そんなこともないと思うけど。
急に始まった進路指導に私は戸惑ってしまう。
「吉野先生、生徒たちの事頼みますね。新任でも立派な教師なんだから」
「……はい」