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恋セヨ乙女
第15章 動き出した関係
「お待たせー」


スヤスヤ眠る譲二くんを抱いてサナちゃんが戻ってきたのはそれから少ししての事だった。


「先生、俺たちそろそろ」


「えっ、もう帰っちゃうの?」


「譲二くんまた起きちゃったら可哀想だから」


「そんなの気にしなくていいのに…」


サナちゃんのご厚意を丁重に断って私たちはおいとますることにした。


「みんなによろしくね」


「サナちゃんも落ち着いたら譲二くん学校に見せに来てね」


玄関でお礼を言って別れを惜しむ。


「あ、…吉野先生」


サナちゃんが先生を引っ張って厳しい顔で先生の耳元に何かを告げた。
先生も真顔で口許を引き締めその言葉を受けとる。


「…真優」


「はい?」


「頑張ってね」


「…はい」


最後、サナちゃんは先生の顔だった。



吉野先生の車に乗り家まで送ってもらう。
帰りの車内はほとんど沈黙で、先生の空気は重い。


街はすでにクリスマスムード一色になっている。
サンタクロース、スノーマン、クリスマスツリー…
店先のディスプレイやイルミネーションを眺めながら間を持たせた。


…今年は大地と初めて迎えるクリスマス。
っていうか一緒に過ごすんだよね?何も言われていないけど。


恋人として過ごすイベント自体がこれが初めてだと今更ながら気づいた。


「鈴村さん、外部に出るって言ってたけど…」


突然喋り出した先生にびっくりして思わず先生を見る。


「具体的にどこ行きたいとか考えてるの?」


「…なんとなくですけど」


本当になんとなくだ。


「どの辺?」


「…A大とか」


「ああ、」


「O大なら指定校推薦あるからそれもいいなって」


「堅いな」


「でもまだハッキリとは…」


「目標があった方が張りもでる。だんだん意識していった方がいいかもね」


「はい…」



それは帰り道唯一の会話らしい会話だった。
そして家の前について先生の車から降りる。


「ありがとうございました」


「いーえ」


サラリとした帰り際、先生の車を見送り家に入ろうとした時。


「真優…」






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