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恋セヨ乙女
第16章 真優と大地

灯りのともる住宅街に一軒だけ暗闇が見えた。
「出掛けたな」
家を見上げて大地は呟いた。
行き慣れてるはずの大地の家…
大地が鍵を差し込むとカチャリと小さな音がしてドアが開いた。
大地が先に入り玄関に灯りをつける。
人気のない家はひんやりと寒くて私の緊張を余計煽った。
「お、お邪魔します」
「鍵閉めて」
「ハイ…」
言われた通り鍵を閉めると先に部屋に行くようにと言われ大地はキッチンへ向かう。
「なんか飲む?」
「大丈夫…」
大地を見届け私は階段を上り大地の部屋へ。
電気をつけるとまずベッドが目に入り固まる。
これから…私…
胸がドキドキして緊張から体が萎縮する。
今まで何度もその一歩手前までしてきたというのにやっぱりその一歩は大きくて…
「どうした」
ベッドを前に佇む私に箱とお皿を持って上がってきた大地が不思議そうに尋ねた。
「う、ううん」
慌てて振り向くとローテーブルに大地が箱とお皿を置く。
「それって…」
床に胡座をかいた大地が私を見上げニッと笑う。
箱から出てきたのは小さなホールケーキだった。
「用意してくれたの?」
「そ、待ち合わせの前に取り行くの大変だった」
大地が蝋燭に火をつけ電気を消すように指示する。
言われた通り電気を消すと揺らめくオレンジに照らされたケーキと大地が見えた。
「ほら、消せよ」
「えっ、“いっせーのせ”で一緒に…」
「却下!」
そう言うか否か大地がフーッと蝋燭を吹き消してしまう。
「あーっ!消していいって言ったのに!」
「トロトロしてるからだろ」
「もう一回やり直…し…」
小さなテーブルから身を乗りだして大地の唇が触れた。
「……電気つけてくる」
「いいよ」
「ケーキ食べたい」
「………」
大地は「分かったよ」と言って立ち上がり電気をつけた。
私はケーキナイフでケーキを切り分け二枚のお皿に分ける。
「俺こんなにいらねー」
「えっ、半分こでしょ?」
「おまえ食っていいよ」
そう言って大地はフォークでケーキを掬い私の口元に持ってきた。
「ホラ」
「………」
目の前にだされたケーキを素直に食べると美味しさに頬が緩む。
「出掛けたな」
家を見上げて大地は呟いた。
行き慣れてるはずの大地の家…
大地が鍵を差し込むとカチャリと小さな音がしてドアが開いた。
大地が先に入り玄関に灯りをつける。
人気のない家はひんやりと寒くて私の緊張を余計煽った。
「お、お邪魔します」
「鍵閉めて」
「ハイ…」
言われた通り鍵を閉めると先に部屋に行くようにと言われ大地はキッチンへ向かう。
「なんか飲む?」
「大丈夫…」
大地を見届け私は階段を上り大地の部屋へ。
電気をつけるとまずベッドが目に入り固まる。
これから…私…
胸がドキドキして緊張から体が萎縮する。
今まで何度もその一歩手前までしてきたというのにやっぱりその一歩は大きくて…
「どうした」
ベッドを前に佇む私に箱とお皿を持って上がってきた大地が不思議そうに尋ねた。
「う、ううん」
慌てて振り向くとローテーブルに大地が箱とお皿を置く。
「それって…」
床に胡座をかいた大地が私を見上げニッと笑う。
箱から出てきたのは小さなホールケーキだった。
「用意してくれたの?」
「そ、待ち合わせの前に取り行くの大変だった」
大地が蝋燭に火をつけ電気を消すように指示する。
言われた通り電気を消すと揺らめくオレンジに照らされたケーキと大地が見えた。
「ほら、消せよ」
「えっ、“いっせーのせ”で一緒に…」
「却下!」
そう言うか否か大地がフーッと蝋燭を吹き消してしまう。
「あーっ!消していいって言ったのに!」
「トロトロしてるからだろ」
「もう一回やり直…し…」
小さなテーブルから身を乗りだして大地の唇が触れた。
「……電気つけてくる」
「いいよ」
「ケーキ食べたい」
「………」
大地は「分かったよ」と言って立ち上がり電気をつけた。
私はケーキナイフでケーキを切り分け二枚のお皿に分ける。
「俺こんなにいらねー」
「えっ、半分こでしょ?」
「おまえ食っていいよ」
そう言って大地はフォークでケーキを掬い私の口元に持ってきた。
「ホラ」
「………」
目の前にだされたケーキを素直に食べると美味しさに頬が緩む。

