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恋セヨ乙女
第16章 真優と大地
最後、ボソボソっと呟いて大地が胸に顔を埋めた。


「やっ!くすぐったい」


「気持ちいい…」


じゃれ合いながら胸から離れない大地を抱きしめる。



「真優、久しぶりに一緒に風呂入ろうぜ」


「……無理」


「何で?昔みたいに」


「…昔みたいに?」


「…プラスα」


ガバッと大地が起き上がり私を抱き上げた。


「私、入るなんて一言も!」


言ってないのに!!


更に大地は枕元から小さな袋を取りだす。



「大地?それって…」


「プラスαだろ?」



悪戯っ子みたいに笑う大地と手にした避妊具があまりにも駆け離れていて困ってしまう。
有無を言わさず連れていかれた脱衣所で大地がネックレスを外して棚の上に置いた。


私も大地の時計を外してその隣に置く。
そして入ったバスルームは…


「…なんか懐かしいね。大地と空くんと入ったの覚えてる」


子供の頃、おもちゃを沢山浮かべて入ったバスルームに今、大人になった大地と二人。


大地はシャワーを出して私に座るよう無言で指示する。


「洗ってやるよ」


「……いいです」


首を横に振ってお断りしても「いいから」の一点張りで結局椅子に座らされる私。


「髪、洗うぞ」


豪快にお湯を掛けガシガシと大地が髪を洗う。


「ブッ…もっと優しく…」


「我慢しろ」


それからもバサバサお湯で泡を流したり、トリートメントをつけろとか注文が多いとか。いつもの私たちらしい雰囲気にほっとした。


「次、体な」



大地が髪をそっと横に流して背中を露にする。
さっきとは一変、柔らかなスポンジに泡を乗せソフトに肌を滑らせる。


その感覚にゾクゾクして震えた。

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