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恋セヨ乙女
第17章 セックスレス
ホワイトクリスマスなんて都市伝説だと聞いたことがある。
現に空は高く深くて雪なんて……


空を見上げふと思い出した。
昨日が…何の日だったのか。


「……クリスマスイヴだ…」


白い息を吐きながら一人で呟く。
クリスマスイヴは恭也の……


「…ハハっ、クッ……」



大切な人の誕生日、そのことさえ私は忘れていた。
遊んで朝帰りして抱いてくれないなんて騒いで…



私は自立した人間だと思ってた。
だけどそれはきっと違って、恭也に支えられて立っていたんだと思う。



恭也はいつも優しくて私を見守ってくれたから――――





「そっかそっか……」


こんな自分が無性に腹立たしくて可笑しくて。


悲しかった。





それから私は一時間もの時間をかけて自宅までの道を歩く。
けれど全然苦じゃなかった。


恭也のこと、両親のこと、仕事のこと…
考えることは沢山あったから。


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