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恋セヨ乙女
第17章 セックスレス
「恭也って学校ではどんな先生?」


「…アイドルみたいです」


「アイドル!?あれが?」


ブッと吹き出した。
確かに外面だけはいいけれどアイドルなんて…


「うちの学校、若い先生があまりいないからそりゃもう…」


「へー…でも彼、いい先生になると思うの」


「?」


「…彼の夢だったのよ」



もう遥か遠く感じる。
恭也と過ごした短い学生時代…


あの頃は恭也に何でも話して。
親の事、ダンスの事も夢についても……


「先生の…夢ですか」


「そう、彼にも信念があるのよ。あれでも」


私が大学を辞めたとき、浅はかだと笑う友達の中で恭也だけは私を尊敬すると言ってくれた。


自分に正直な私が好きだと……


私はその言葉にどれだけ勇気づけられてきただろう。



でも、正直に生きることも度を過ぎればただの我儘になるのかしら。




「…あなたにならいつか話してくれるかもしれないわね」


「…………」



大切なことに気づくときは大抵何かを失ったとき。



私は恭也のどこまでを失った?



今ならまだチャンスはあるのだろうか。


今なら――――――






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