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恋セヨ乙女
第17章 セックスレス
それからまた少しして私は恭也に連絡した。
断じて未練なんかからではなく、お互いの部屋の鍵を返さなければならないから。


時間は恭也の仕事帰り、私のレッスン前。
待ち合わせは駅、



―――今日もこの間同様、私が先に待っている。
こうやって恭也を待つのも最後なんだと思った。


「鞠華」


物思いに耽っていると恭也に呼ばれた。


「……これ、おまえの荷物」


「ああ、ありがと」


紙袋に入った服や化粧品。
反して私の家に恭也のものは殆どなかった。


「鍵」


「はい、」


二人で鍵を交換する。



私たちに話すことはもう特にない。
―――でもひとつだけ、ひねくれ者な私は最後にカマをかける。



「そういえば恭也の生徒さんにスタジオの近くで年末会ったのよ」


「へえ…」


「私あの子に縁があるみたい」


「そう…」


「…名前、彼女の名前何て言うんだっけ?」


「鈴村さん」


「…下の名前よ」



「………真優」


「………」


「彼女の名前…」


恭也は私の目を見ずに、でもハッキリと言った。


「あなたの大事なマユちゃんと一緒ね」


「マユの方が利口で器量もいい」


「そんなこと言って……」


空気が少し和んだ。
でもそれは、切なくて悲しくてやっぱり嬉しい。



「残念ね、彼女が生徒で」


「……さあ?」


「しかも可愛い彼氏までいるなんてね」


「………」


「ちなみにクリスマスは楽しかったそうよ。可愛いわね」


「へぇ……」


表面下で恭也がモヤモヤしているのが分かった。
その様子だけで私は満足だった。




「ま、思い余って淫行条例犯すことのないように。…久々に知ったあなたの近況が新聞で…なんて嫌よ」




そして恭也に背を向けた。


さよなら恭也…


一呼吸して私は歩き出す。
あの日涙は出し尽くした。


だから今日からはまた前を見る。



自分の目指す場所を見つめて力強く――――
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