この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋セヨ乙女
第19章 新しい季節
「真面目で要領悪い?」
「………」
「わざわざ確証のない方選ぶんだもん。…でもそこが真優のいいとこだと思うわ」
「先生…」
「お?真優が久しぶりに私を先生って呼んだね」
「…だって先生は先生だもん」
サナちゃんと話したら急に卒業が現実味を帯びてきた。
思えばサナちゃんがいてくれたから私はこの学校に対する見方が変わったんじゃないかと思う。
「大学の話は置いといて、その先…真優はなりたいものってあるの?」
「私……」
――――以前鞠華さんにも聞かれた質問。
あの時は何もなくて…でも今はぼんやり、本当にぼんやりと方向が見えてきた。
「私、この学校には来たくて来たわけじゃなくて…でも通ううちにここが大好きになったんです。それはきっとサナちゃんや友達のお陰なんだと思って、それで…」
春に見た頑ななあの子が目に浮かんだ。
何かしてあげたいなんて思い上がりもいいとこだ。
でも……
「私も教師になりたいって…最近思うんです」
私がしてもらったように今度は私が。
ハッキリ語る私をサナちゃんは優しい目で見ている。
「教職課程取るのは大変だよ」
「はい」
「生徒も一筋縄じゃいかないわよ」
「はい…」
「でも合ってると思うわ、真優に教師」
「………ありがとうございます」
サナちゃんとは放課後の教室で沢山の話をしてきた。
その度に驚いたり笑ったり…
それもこれが最後なんだと思うとたまらなく寂しい。
「…辞めてやる!って思うことも多いけどこれだから辞められないんだよね」
「え?」
「こっちの話」
サナちゃんがクスクス笑う。
最後の寂しさとこの時間を共有できる嬉しさ、やっぱり私はこの学校で学べて良かった。
最後の最後に心の底から思った。
「………」
「わざわざ確証のない方選ぶんだもん。…でもそこが真優のいいとこだと思うわ」
「先生…」
「お?真優が久しぶりに私を先生って呼んだね」
「…だって先生は先生だもん」
サナちゃんと話したら急に卒業が現実味を帯びてきた。
思えばサナちゃんがいてくれたから私はこの学校に対する見方が変わったんじゃないかと思う。
「大学の話は置いといて、その先…真優はなりたいものってあるの?」
「私……」
――――以前鞠華さんにも聞かれた質問。
あの時は何もなくて…でも今はぼんやり、本当にぼんやりと方向が見えてきた。
「私、この学校には来たくて来たわけじゃなくて…でも通ううちにここが大好きになったんです。それはきっとサナちゃんや友達のお陰なんだと思って、それで…」
春に見た頑ななあの子が目に浮かんだ。
何かしてあげたいなんて思い上がりもいいとこだ。
でも……
「私も教師になりたいって…最近思うんです」
私がしてもらったように今度は私が。
ハッキリ語る私をサナちゃんは優しい目で見ている。
「教職課程取るのは大変だよ」
「はい」
「生徒も一筋縄じゃいかないわよ」
「はい…」
「でも合ってると思うわ、真優に教師」
「………ありがとうございます」
サナちゃんとは放課後の教室で沢山の話をしてきた。
その度に驚いたり笑ったり…
それもこれが最後なんだと思うとたまらなく寂しい。
「…辞めてやる!って思うことも多いけどこれだから辞められないんだよね」
「え?」
「こっちの話」
サナちゃんがクスクス笑う。
最後の寂しさとこの時間を共有できる嬉しさ、やっぱり私はこの学校で学べて良かった。
最後の最後に心の底から思った。