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恋セヨ乙女
第19章 新しい季節
最後のHRも終わり友達と別れを惜しみながら卒業生は個々に散っていく。
私たちはこれからカラオケで卒業パーティーをするのだけれど。
「あっ!紅白饅頭忘れた」
「いらなくない?」
「でもさ、折角もらったんだから取ってくるね」
「待ってるよ」
「予約時間になると困るから先行ってて!すぐ追い付くから!」
慌てて教室に戻り机の中の紅白饅頭をバッグに入れる。
静かな教室、この静けさが私は好きだった。
「最後か…」
感慨深く教室を見渡す。
来月は新しい三年生でこの教室も再び賑わうのだろう。
――――と、その時教室のドアが開いた。
反射的に顔をあげるとそこにいたのは…
「先生…」
先生は私を見てドアを閉める。
「どうしたの?」
「あ、忘れ物で…」
紅白饅頭を見せるとフーンと先生がうなずく。
「卒業おめでとう、鈴村さん」
「ありがとうございます」
先生と放課後の教室で二人きり。
このシチュエーションはあの日を思い出させた。
「…どうしたの?」
「なんか先生と初めて話した時を思い出して…」
「よく覚えてるね、そんな事」
「忘れられませんよ。だって…先生私に“エッチだ”って言ったんですよ?」
クスクス笑いながら話せるくらい、私の中で先生は過去のものになっているのか。
「あながち間違いじゃないんじゃない?」
「さあ、どうでしょう?」
先生は持っていたファイルを開いてふと気づいたように胸を押さえ腰を押さえる。
「鈴村さん、ボールペン持ってる?」
「ありますよ」
ペンケースからボールペンを出して先生に渡すと「ありがとう」とわずかに笑った。
「しかし…女子高生はよくこんな書きにくいもの使うよな」
「可愛いからいいんです」
「“可愛いペン”を使ってるワタシが可愛いんだろ?」
私たちはこれからカラオケで卒業パーティーをするのだけれど。
「あっ!紅白饅頭忘れた」
「いらなくない?」
「でもさ、折角もらったんだから取ってくるね」
「待ってるよ」
「予約時間になると困るから先行ってて!すぐ追い付くから!」
慌てて教室に戻り机の中の紅白饅頭をバッグに入れる。
静かな教室、この静けさが私は好きだった。
「最後か…」
感慨深く教室を見渡す。
来月は新しい三年生でこの教室も再び賑わうのだろう。
――――と、その時教室のドアが開いた。
反射的に顔をあげるとそこにいたのは…
「先生…」
先生は私を見てドアを閉める。
「どうしたの?」
「あ、忘れ物で…」
紅白饅頭を見せるとフーンと先生がうなずく。
「卒業おめでとう、鈴村さん」
「ありがとうございます」
先生と放課後の教室で二人きり。
このシチュエーションはあの日を思い出させた。
「…どうしたの?」
「なんか先生と初めて話した時を思い出して…」
「よく覚えてるね、そんな事」
「忘れられませんよ。だって…先生私に“エッチだ”って言ったんですよ?」
クスクス笑いながら話せるくらい、私の中で先生は過去のものになっているのか。
「あながち間違いじゃないんじゃない?」
「さあ、どうでしょう?」
先生は持っていたファイルを開いてふと気づいたように胸を押さえ腰を押さえる。
「鈴村さん、ボールペン持ってる?」
「ありますよ」
ペンケースからボールペンを出して先生に渡すと「ありがとう」とわずかに笑った。
「しかし…女子高生はよくこんな書きにくいもの使うよな」
「可愛いからいいんです」
「“可愛いペン”を使ってるワタシが可愛いんだろ?」