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恋セヨ乙女
第19章 新しい季節
それから二週間が過ぎ、大地の合格発表の日を迎えた。
春休みの私は勿論大地について発表を見に行くわけで……
電車に揺られ二時間弱。
その街は私たちの住む町より賑やかで、大地の受けた大学は広くて開放的な作りだった。
「大地、顔色悪いよ」
「誰かさんじゃあるまいし…」
「見てきてあげよっか」
「いいって。真優、ここで待ってろよ」
人混みから少し離れた場所で大地は言った。
一瞬迷ったけれど大地の言葉に私は頷く。
人混みに大地が消えしばし。
人の中から大地が姿を現した。
その顔は明らかに浮かない顔で…
「………」
一瞬、慰めの言葉を探す。
「大地……」
「………た」
ポツリと大地が呟いた。
「受かった…」
「えっ!?」
ギューッと大地が私を抱き締める。
「受かった…真優」
脱力する大地の体重が私に掛かり重い。
「…おめでとう、大地なら受かるって思ってた」
「嘘つけ。明らかに慰めの言葉探してただろ」
「あれは…大地が浮かない顔してたから…」
―――――大地も合格した。
二人の願いが叶いそれぞれの道へ。
同時にそれは二人が離れて暮らすことでもあった。
「週末は泊まりに来いよ」
「うん」
「離れるっていってもたった四年だしな」
「…うん」
帰り道。いつかの発表みたいに二人で手を繋いで駅まで歩く。
「真優」
「なあに?」
「…ラブホ行かね?」
あまりに直球の大地の誘い。
「ストレートすぎる…」
「だって合格したんだぜ、約束だろ?」
大地が指を絡めて手を繋ぎ直した。
「…旅行まで我慢じゃないの?」
「できるか」
「どうしよっかな…」
思わせ振りに焦らしてみるけど本当は決まってる。
私も大地に抱かれたい。
「目、潤んでる…」
耳元で大地が囁いた。
「………」
「行こ、」
大地に手を引かれ駅の側の繁華街に入る。
一本奥に入るとそこはホテル街になっていて…
春休みの私は勿論大地について発表を見に行くわけで……
電車に揺られ二時間弱。
その街は私たちの住む町より賑やかで、大地の受けた大学は広くて開放的な作りだった。
「大地、顔色悪いよ」
「誰かさんじゃあるまいし…」
「見てきてあげよっか」
「いいって。真優、ここで待ってろよ」
人混みから少し離れた場所で大地は言った。
一瞬迷ったけれど大地の言葉に私は頷く。
人混みに大地が消えしばし。
人の中から大地が姿を現した。
その顔は明らかに浮かない顔で…
「………」
一瞬、慰めの言葉を探す。
「大地……」
「………た」
ポツリと大地が呟いた。
「受かった…」
「えっ!?」
ギューッと大地が私を抱き締める。
「受かった…真優」
脱力する大地の体重が私に掛かり重い。
「…おめでとう、大地なら受かるって思ってた」
「嘘つけ。明らかに慰めの言葉探してただろ」
「あれは…大地が浮かない顔してたから…」
―――――大地も合格した。
二人の願いが叶いそれぞれの道へ。
同時にそれは二人が離れて暮らすことでもあった。
「週末は泊まりに来いよ」
「うん」
「離れるっていってもたった四年だしな」
「…うん」
帰り道。いつかの発表みたいに二人で手を繋いで駅まで歩く。
「真優」
「なあに?」
「…ラブホ行かね?」
あまりに直球の大地の誘い。
「ストレートすぎる…」
「だって合格したんだぜ、約束だろ?」
大地が指を絡めて手を繋ぎ直した。
「…旅行まで我慢じゃないの?」
「できるか」
「どうしよっかな…」
思わせ振りに焦らしてみるけど本当は決まってる。
私も大地に抱かれたい。
「目、潤んでる…」
耳元で大地が囁いた。
「………」
「行こ、」
大地に手を引かれ駅の側の繁華街に入る。
一本奥に入るとそこはホテル街になっていて…