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恋セヨ乙女
第4章 幼馴染み
「おまえの中身じゃなくてその制服で寄ってこられるからな」


「………」


そうだよね、こういう奴だった。


「逆に顔見て逃げてくかもしんねーけど」


「大地…何が言いたいの?」


今日はなんだかクタクタだから大地のバカに付き合う気にはなれない。


「だから…気を付けるに越したことはねーってことだろ」


「ハイハイ、…男ってみんな言いたいことがわかりずらい」


先生も大地も的を射ない言い方して。
深くため息をついて歩いていると隣にいたはずの大地の姿がないことに気づいた。



「あれ…大地?」


びっくりして振り向くと大地は難しい顔をして立ち止まっている。



「大地?」


「………」


「おーい、大地さん」


フリーズした大地に駆け寄りパタパタと手を振ると大地はハッと我に返る。


「どうしたの?」


「べ、別に…」


大地はバツが悪そうに頭をガシガシ掻いた。


「なぁ真優」


「ん?」


「…遅くなるときは電話しろよ」


「は?何で?」


なんで大地に?


「何でって…聞いてねーな」


「聞いてるよ。制服で痴漢が寄ってきて私の顔見て逃げてくんでしょ?…平気じゃん」


「…それでも!物好きが極稀にいるかもしんねーだろ」


「………」


本当に男って言いたいことが分かりにくい。
でも、大地はこれでも一応心配してくれているのかなって…


それだけは分かった。



「じゃあお言葉に甘えてその際には」


「おう、高くつくけどな」


「…もう」



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