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恋セヨ乙女
第4章 幼馴染み
「そういえばウチのお袋が真優の顔見たがってた」



「えっ本当?じゃあ今度おばさんに会いに行こうかな」


「おう、近いうちに来いよ」


頷くと大地はニカッと笑う。



「真優が来ればタイも喜ぶしな」


「あはは、タイちゃん私も会いたい!」


―――タイちゃんこと太陽くんは大地の一番下の弟で確か今年四歳になる。



大地のうちは男ばかりの四人兄弟で、上三人と一番下のタイちゃんの年が離れている。
おばさん曰く「どうしても女の子が欲しかったのよ!」だそうだけど、タイちゃんの溺愛っぷりを見てると性別なんて関係ないんじゃんって、私は密かに思っている。


それはおじさんおばさんだけじゃなく、一番上の大地にも言えること。
タイちゃんが可愛くて仕方ない。
そんな弟への愛情が大地から時々透けて見えて、私はその度微笑ましく思っていた。


「あ、修学旅行行ったらタイちゃんにお土産買ってこよう」


「俺じゃなくて太陽に!? 」


「じゃあ大地にも」


「じゃあって…俺おまえに土産買ってきただろ」



ひでー、と大地が珍しく拗ねる。
大地の高校は高一の終わりに修学旅行へ行く。
…その時確かにもらった。


木彫りの熊のストラップ。


「つけてんの見たことねーし」


「…渋すぎてなかなかね」


「バーカ!熊が鮭くわえてるんだぜ!?最高にクールだろ」


「大地の趣味はズレてるよ」


でもそんな大地が可愛く思えてくすくす笑うと大地が急によそよそしく前を向く。


「……確かにズレてるかもな」


「あ、自覚アリなんだ」


「………」





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