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恋セヨ乙女
第20章 沙映子
しばらく髪を撫でていた大地がポツリと呟く。


「真優…キスして」


「………」


大地が彼女にキスをねだる。
「真優」じゃない、私…
でも今だけは真優になる。


疑似体験でも愛されたいから。
大地とキスしたいから。


目を瞑る大地に唇を近づける。
そのまま唇を落とすと大地が薄ら目を開けた。


「真優…?」

「…………」


合わせた唇を割り舌が入ってくる。
大地の舌…
ネットリと優しく私の舌を絡め取る。


今、確かに大地とキスしてる。
嫌でも口の中に意識が集中し、ピクピクとそこから震えた。


大地はもっと荒いキスをするんだと思ってた。
優しくて繊細なキスには手のひら同様彼女への愛情が沢山詰まっていた。



私は夢中で舌を絡めた。
「真優」の代わりでしたつもりがいつの間にか「沙映子」に戻る。
彼女への愛情だって今、実際に受けているのは他の誰でもない「私」なんだ。



大地の手がまた下へ下がった。
背中を降りてお尻で止まりそのまま私の尻を触る。



「んっ」



思わず漏れた声に大地がピクンと反応する。
それから手はまた上に上がり、器用にシャツのボタンを開けて胸元から忍び込む。



「……痩せた」


「………」


彼女、巨乳なんだっけ。
大友の身ぶりを思い出したら残念そうな大地の言葉が憎らしい。


「…悪かったね貧乳で」


独り言で悪態をついた瞬間、大地がキュッと乳首を摘んだ。
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