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恋セヨ乙女
第21章 浮気の境界線
「………」
大地の部屋を出てからしばらくドアにもたれ佇んでいた。
カンカンカン…
外階段を上るヒールの音に姿勢を正し歩き始める。
歩いてきたのは同年代の女の子。
…間違いないと思う、この子だ。
対向に歩いてくる彼女を頭の天辺から爪先まで瞬時に見る。
確かに大友が好きそうな安っぽい「可愛らしさ」を被った女だ。
大地までこんなのが好きだったなんて…ガッカリした。
彼女は私を意識することなく大地の部屋に向かっていく。
さしずめ彼氏に会える嬉しさで胸イッパイといったとこだろうか。
せいぜい楽しみにしておけばいい、…今だけなんだから。
すれ違い様、私はわざと彼女にぶつかった。
「ごめんなさい」
「あ、いえ…」
彼女は私の落としたバッグを拾い丁寧に差し出した。
「私もボーッとしててすみません」
「…………」
こいつは同性にも媚びるタイプか。
差し出されたバッグを奪い取るように取り返すと何も言わずに歩きだした。
大地の部屋を出てからしばらくドアにもたれ佇んでいた。
カンカンカン…
外階段を上るヒールの音に姿勢を正し歩き始める。
歩いてきたのは同年代の女の子。
…間違いないと思う、この子だ。
対向に歩いてくる彼女を頭の天辺から爪先まで瞬時に見る。
確かに大友が好きそうな安っぽい「可愛らしさ」を被った女だ。
大地までこんなのが好きだったなんて…ガッカリした。
彼女は私を意識することなく大地の部屋に向かっていく。
さしずめ彼氏に会える嬉しさで胸イッパイといったとこだろうか。
せいぜい楽しみにしておけばいい、…今だけなんだから。
すれ違い様、私はわざと彼女にぶつかった。
「ごめんなさい」
「あ、いえ…」
彼女は私の落としたバッグを拾い丁寧に差し出した。
「私もボーッとしててすみません」
「…………」
こいつは同性にも媚びるタイプか。
差し出されたバッグを奪い取るように取り返すと何も言わずに歩きだした。